扇子の種類

【冬の扇】

檜扇や中啓。主に儀礼用。中啓は能楽をはじめとする諸芸能でも使われる。

古くは10本骨の沈折(しずめおり)の扇も広く用いられ、これは夏冬共用の形式であった。

【夏の扇】
蝙蝠扇。現在一般に市販されている両面貼りの骨の多い扇子も夏の扇である。

なお公家の夏の扇は江戸時代に至るも蝙蝠扇と称し、骨が扇の裏面に露出していた。

【軍扇】
その昔武将が戦場に携えた扇。

その形式は時代によっていくらか相違はあるが、だいたいは骨は黒の塗骨、表は赤地に金の丸で日輪をあらわし、裏は紺色の地に銀で月と星(多くは北斗七星)を描くといったものであった。

【鉄扇】

親骨を鉄製にした扇。

鉄の短冊を重ねたもの、また閉じた状態の扇子の形を模しただけで開かない(つまり、扇子の親骨型の鉄塊)鉄扇も存在する。携帯用の護身具、または鍛錬具として用いられる。

鍛錬具として用いられるものは、手馴し鉄扇(てならしてっせん)とも呼ばれる。

「序の舞」 昭和11年(1936年) 、上村松園筆。手に舞扇を持つ。

【舞扇】
沈折の扇。日本舞踊や歌舞伎で使われる。

【祝儀扇】
冠婚葬祭に用いられる扇。

一般には男性は白扇、女性には金や銀の扇子だが、用途によって格式が細かく定められており、葬儀に用いられるものは「不祝儀扇」(ぶしゅうぎせん)とも呼ばれ黒い扇子である。

【唐扇】 中国扇
中国大陸で作られた扇。またその形式を模したもの。

日本から伝わった扇が中国でも作られるようになり、日本の扇が骨の片面にだけに紙を貼っていたのに対し、両面貼りとして骨の数も多くなった。

この形式の扇は日本にも逆輸入され、室町時代には中啓が現れるに至った。

現在、日本の夏に見られる扇子の多くはこの形式によるものである。

【洋扇】
ヨーロッパで作られた扇。またその形式を模したもの。

日本の扇は大航海時代に中国を経由するなどして西洋にまで輸出され独自の発展を遂げ、17世紀のパリには扇を扱う店が150軒を数えるほど、上流階級の女性のコミュニケーションの道具として大流行した。

ヨーロッパでは絹やレースを貼った洋扇に発展し、孔雀の羽根を用いた扇子も作られた。

18世紀には扇子言葉というボディランゲージが生まれるなど、ヨーロッパの上流階級に根付いていた。

【羽根扇子】
羽で飾った洋扇。

日本でこれを用いた例は宝塚歌劇に見る事ができる。

主に歌劇中の女性貴族の持ち物として用いられ、劇中の華やかさを彩る物となっている。

1990年代にはディスコで踊る時に使うのが流行し、ジュリアナ東京でも多く用いられたことからジュリ扇とも呼ばれた。またこの羽根扇子はストリップティーズなどの舞台でも小道具として使われることがある。

【飾り扇】
部屋に飾り物として置く。

たいていの場合飾り物としてそれ専用に作られたもの。

上にあげたそれぞれの扇の規格に沿って製作してはいないので、例えば能楽や日本舞踊などで飾り扇を使うことはできない。
他には、沖縄では扇面にヤシ科のビロウ(クバ)の葉を使ったクバ扇(クバおーじ)というものがある。

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